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今日 豊かな人はメリークリスマス 貧しい人はメリークルシミマス

日本社会が現在、貧困格差が拡がり
豊かな人と貧しい人の二極化が急速に進んでいるという。

私達の身近なところで貧困格差を感じている人は、どのくらいいるだろうか?

貧困格差を感じずに自分達は豊かだと感じている人は、今日
メリークリスマスなんだろうなぁ
貧困格差など感じている暇などなく今日食べるものが無い人にとって、
今日という日は、メリークルシミマスなんじゃないかと思う。

これから日本社会は、どうなって行くのか?不透明な部分が多いが列挙してみたい。
○高齢者は増える
○子供は減少する
○日本の人口は現象する
○教育は家庭環境(経済状態など)によって、高等教育を受けれる学生と受けれない
  学生が増加する
○高等教育(大学など)を受けれた学生は、正社員になれる可能性が大きい
○高等教育を受けれない学生は、派遣社員などになる可能性が大きい
○日本の財政は赤字が増加する
○今の生活で目一杯な人が増加し障害を持った人に目を向ける人は現象し、
  バリアフリーはかけ声だけになる可能性が高い

 悪いことばかり列挙したので、思い付く良いことも列挙したい。
○日本社会は、ヒーローの登場を臨む過去の意識から一人一人が日本社会を創るんだと
  いう意識に、すこしづつ変化する
○今の生活で目一杯な人の中から社会的弱者に関心を持つ人が出てくる
○100%では無いけれども誰もが住みやすい地域(地方自治体など)が出現する

この様なことを考えると、将来が不安になってくる人も多いのではないでしょうか?
「将来が不安だから」という考えで毎日の暮らしを送っていると、他人まで目が
行かないのではないでしょうか
他人まで目がいかなくなれば、自分が生きていくだけで精一杯という事になり
ホームレスの人が居ても見向きもされなくなってしまうのではないか
この考えの根底には、
自分の生活も満足に出来ないのに何故、他人の生活に目を向けられるのか?
というのがあると思う。
ましてや
正社員になった人達は、ホームレスの人を見て自分達は勝ち組だと思っている反面
「あいつらは努力しないから、こうなるんだ」と思っている人も多いと思う。

日本社会に優しさや思いやりなどという言葉は、今では死語になっている様な
気がする。
五木寛之さんは『人間の関係』という本の中で、現在の日本社会は鬱の時代と
言っている。

他人に優しさや思いやりが持てる日本社会にするためには、どうすれば良いのだろうか?
試行錯誤の日は続きます。

追記
村野瀬さんからトラックバックを頂きましたので掲載します
●労働組合ってなにするところ?
困ったときの相談先一覧・総集編
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10181944928.html

いよいよ明日は12月24日。労働相談・生活相談の集中日です。

また、官公庁などが年末年始休業に入ってしまう前に何らかの行動をとるには、この24日から26日が勝負です。

そんな訳で、ここしばらくの間調べてきた困ったときの相談先一覧をまとめておきたいと思います。

まずは、期間限定のものから。

「生活保護・労働・多重債務・住まい何でも相談会」

  主催:反貧困ネットワークなど

  電話番号:0120-110104

  受付期間:12月24日限定 午前10時~

        終了時間 埼玉午前0時▽東京午後10時▽千葉同4時▽愛知同8時

               ▽静岡同5時▽滋賀同8時

               (記載地域以外からの相談も受け付ける)

越冬ホットライン

  主催:フリーター全般労組など

  電話番号:03-3373-0180

        メール(union @ freeter-union.org)でも受け付ける。

  受付期間:12月24、25日限定  午前10時~午後8時

母子家庭ホットライン

  主催:埼玉県

  電話番号:048-830-3344

  受付期間:12月20日~26日

        平日午前9時~午後8時  土日祝日午前9時半~午後6時


次に、定期的に受け付けているものについて。

首都圏生活保護支援法律家ネットワーク(埼玉総合法律事務所)

  TEL.048-866-5040  受付 月曜~金曜  午前10時~午後5時

  http://www.seiho-law.org/

生活保護支援ネットワーク静岡

  TEL.054-636-8611  受付 月曜~金曜  午前10時~午後5時

東海生活保護利用支援ネットワーク

  TEL.052-911-9290  受付 火・木  午後1時~午後4時

日本労働弁護団本部

  TEL.03-3251-5363  受付 火・木  午後3時~午後6時

  (他地域の情報もあり)

  http://homepage1.nifty.com/rouben/soudan1.htm

東海労働弁護団(事務局)

  TEL.052-451-7746  受付 毎週第2火曜  午後5時~午後7時

  http://www.geocities.jp/tokairouben/hotline.htm

東京管理職ユニオン

  TEL.03-5371-5170  電話予約の上、直接相談可能

  相談集中日  水曜 午後5時~午後8時  土曜 午後1時~午後5時

  http://www.mu-tokyo.ne.jp/

管理職ユニオン・東海

  TEL.052-249-6669  受付  月~金 午前10時~午後7時

  土曜日 午前10時~午後5時  日曜・祭日は休み

  http://www.mu-nagoya.gr.jp/

全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会

  TEL.03-5207-5507

  http://www.cre-sara.gr.jp/

  被害の相談はお近くの加盟団体の相談窓口へ

  http://www.cre-sara.gr.jp/kamei.html  

  自殺防止専用相談電話番号 03-3255-2400(24時間受付)

愛知かきつばたの会(多重債務の相談)

  TEL.052-916-9131  電話予約の上、定期面接相談で対応

  面接相談日 毎週水曜(祝日を除く)  午前9時~午後4時30分

  http://www.kakitsubata.net/index2.htm


困ったときは、諦めたりやけになったりする前に、まず相談です。

上記の相談先にお住まいの地域のものがない場合も、専門家同士の横のつながりで近くの相談先を紹介してもらえる可能性が高いので、とりあえず抱えている問題に関連性がありそうなところに電話してみてください。

普段、私は自分の書いているものに自信がないのであまりトラックバックというものを送らないのですが、この情報に限ってはできるだけ多くの人に送ってみようと思います。情報提供のコメント、トラックバックも大歓迎です。

よろしくお願い致します。



追記

渡辺元行革相、離党は否定 解散要求決議案で「造反」
 渡辺喜美元行革担当相は24日の衆院本会議で、民主党などが提出した「衆院解散要求決議案」に賛成した。渡辺氏はその後、記者会見し、自民党執行部の方針に反して決議案に賛成した理由について「(解散は)私の持論。いまの閉塞(へいそく)状況を打破するには、解散・総選挙しかないとかねて申し上げていた」と説明。離党や民主党との連携を否定する一方、「処分は甘んじて受ける。除名でも何でもしてください」と語った。

 同法案は起立採決で、与党の反対多数で否決された。

2008年12月24日15時28分 朝日新聞から抜粋


私は、この造反に関しての姿勢は、「衆議院解散・総選挙」をかけ声だけに
終わらずに、国会で行動として表し、評価したい。
口先三寸の政治家が居る中、行動したのは良いことだと思っている。
自民党の中で口先三寸議員は、もう政治にはいらない。




「派遣切りをした企業の商品を買わないようにしよう」の提言

当ブログ
派遣切りした企業の商品を買わないようにしよう」の提言です。

政治に期待出来ないので、社会の中の貧困は許さないという
土壌を作りたいし、派遣切りした企業が、何の社会的制裁を
受けないのは、切られた派遣社員が貧困に喘いでいても
知らん顔では、いつ誰が貧困になるか分からない現代では、
切られた派遣社員が声を出してデモを行い頑張っている姿に
感動し、当ブログでも声を出すことにしました。


当ブログが確認した派遣社員切り企業

半導体関連企業の三井ハイテック(北九州市八幡西区)
http://www.data-max.co.jp/2008/12/post_3812.html

大手企業で非正規社員の削減相次ぐ ホンダ490人、東芝540人
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081205/biz0812050106000-n1.htm

日立製作所の子会社、日立プラズマディスプレイ(国富町)
半導体関連メーカー・SUMCO(東京)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20081210-OYT8T00789.htm

イビデン、派遣1000人削減
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20081214/200812140214_6653.shtml

三菱自動車水島製作所と取引がある部品会社
http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=34000000812120001

ソニー大リストラ 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081211ddm005070124000c.html

桐生市山田製作所、小倉クラッチ
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000812100006

半導体用シリコンウエハー製造大手の「SUMCO」(本社・東京)が伊万里事業所で働く派遣社員の契約延長が行われず雇用削減
http://mainichi.jp/area/saga/news/20081213ddlk41010652000c.html

マツダ:派遣社員の契約終了
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20081206ddlk34020746000c.html


日立プラズマディスプレイ(国富町)
旭化成延岡支社(延岡市)
清武町の半導体製造SUMCO 
TECHXIV宮崎工場
OKIセミコンダクタ宮崎
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=13382&blogid=5&catid=15

「マツダ」関連の派遣13人、解雇で生活保護申請
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20081213-OYO1T00190.htm?from=main1

マツダ:防府工場、派遣社員500人削減
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20081211ddlk35020472000c.html

THK山口工場:派遣社員、削減対象は100人 /山口
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20081212ddlk35020442000c.html

米沢で派遣600人超減
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20081212-OYT8T00829.htm

シャープ:派遣社員削減 
http://mainichi.jp/area/nara/news/20081213ddlk29020577000c.html

出雲村田製作所:派遣社員150人削減
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20081213ddlk32020529000c.html


当ブログで調べました。不十分かと思いますので、
追加を宜しくお願いいたします。



何故、派遣切りが違法なのか?

まず、なぜ派遣を簡単に切れるのかというのは、『派遣元⇔派遣先』の労働者派遣契約は解約自由です。当事者(派遣元・派遣先)の取り決め・都合により、いつでも解約できます。
しかし、『派遣元⇔労働者』の労働契約の解約(解雇のことです。)は制限があります。実は、、この解雇要件は正社員・派遣労働者・バイト・パートの区別は一切ありません(労働契約法2条1項・16条、労基法9条・20条)。
正社員を簡単に解雇できないのと全く同一の基準で、派遣労働者も簡単に解雇できないのです。



当ブログが調べた、情報では不十分かもしれませんので、
どうか、付け足して転載して頂ければ幸いです。




12月16日(火)1740分 追記

うめたんさんからコメントを頂き、派遣切りの情報を頂きましたので、追加します。
「派遣切り」の実態が日々刻々明るみに!



追記12月25日1400
大津留公彦さんから、いすゞ自動車は派遣社員解雇を一部撤回したようだという
コメントを頂きましたので、一時的にいすゞのものは、外します。
しかし
いすゞ自動車が、今後派遣きりをやった場合、大々的に記事にしようと思います。
派遣きり撤回の会社が、今後も現れることを期待したいと思います。



『すべてが良いのか すべてが悪いのか』

テーマを『すべてが良いのか すべてが悪いのか』にしました。

何故か?
自公・民主・共産・社民・国民新などの政治家発言をTVで見ていると
TVの前で、「バカじゃないの」と言いながら笑ってしまいます。

政権が民主党になり変わったとしても、正直なところ
「あんまり期待」していないし、自公にも「期待」はしていないのが正直
な気持ちだ。
民主党に政権交代をして、今より暮らし向きが良くなると思ったが、
実際は良くならなかったとき裏切られた気持ちになるのが嫌だからかも
しれません。
いずれにしても
自公や民主は「国民の生活が大事」などと言っているが、実際のところ、
選挙で落選するのが嫌なだけで、自分のためじゃないかと、色んな発言
で感じてしまうし、国民と政治家の感覚がかなり乖離しているように感じる。
そんなことを感じているのは、私だけなのかな?

参議院宿舎の立て替えで、参議院西岡委員長が白紙に戻した。
私としては、高く評価しています。
と、同時に
立て替えを反対した、悪評判な石原都知事にも拍手を送りたい。
紆余曲折は、あったが緑の保全と現情勢の国民生活窮乏を考えると、
拍手を送りたくなるのである。
西岡さんでも石原さんを、すべてが良いとは思わないし、すべてが悪いとは
思っていません。
正直な気持ちです。

で、
今のところの私の立場を言いますと、

政党については、
自公や民主には期待度30%です。
共産や社民の方が政党が小さい分、自公や民主に比し「国民生活」に目を
向けているように感じますので、期待度60%です。

政策
・年金・医療費
 財源不足だから社会保障関係費を圧縮するという考えには、賛成しません。
 ある意味、国が国民を財政破綻すると脅し、不安を増長させているのは関心
 しないし、セーフティーネットは国が、どんな状況であっても確保しなければな
 らないと思います。
 極端な考えですが、国が財政破綻するのであれば、破綻させればいいと思っ
 ています。
 これは、明治維新以来の改革が起こる可能性があるし、国民や政治を司る人
 たちが、必死な思いでやることが大切だと思っているからです。
 今の、安易な考えでは、何事も出来ないと思っています。
・防衛
 憲法9条は守る
 集団的自衛権の行使は反対

政党・政策と防衛の3点だけですが、私の姿勢です。

私としては、年金・医療などの福祉や防衛について、政治家の発言を注目して
ますし
国の主役は国民
政治の主役は国民
政策は国民のために
という観点で見ています。

最後に
この国に貧困がなくなることを切に願い、自分に何が出来るのかを考えながら
ブログを展開し日々の生活の中で小さいかもしれませんが行動していきたいと
思います。

つたない内容で申し分けありません。


 

精神論で日本が守れる?

 福祉のブログであるけど、田母神俊雄(航空自衛隊前航空幕僚長)の論文に端を発した問題について、述べます。

 田母神俊雄(航空自衛隊前航空幕僚長)の論文の内容を云々するつもりは、ありません。
それよりも気になったのが、11月30日(日)に『たかじんのそこまで言って委員会』という番組があり、それを見て危険な感じを受けました。

出演者は、
パネラー 三宅久之、鈴木邦男、天木直人、桂ざこば、原 和美、勝谷誠彦、宮崎哲弥、井上和彦
ゲスト
田母神俊雄
(航空自衛隊前航空幕僚長)、
松島悠佐
(陸上自衛隊元中部方面総監)、
川村純彦
(海上自衛隊元海将補)

 危険を感じたのは、ゲストで出演していた田母神前航空幕僚長や陸上、海上自衛隊の幹部の発言だ。
第1点目は、田母神前航空幕僚長や陸上、海上自衛隊の幹部が口を揃えて憲法9条の改正、集団       的自衛権の行使が必要だということ。
第2点目は、NHKで核が日本に持ち込まれた特集をしたが、それについては周知していたという口       ぶりであった事と核が必要だと言ったこと。

 10年前には、前であっても自衛隊幹部がテレビに出演して、この様なことは考えられなかった。
しかし、今は発言している。田母神前航空幕僚長はテレビに出演して活動を活発にすると言っている。それに対し、ほとんどのパネラーは、賛成の意向をしめしていた。
 
 この様な風潮が定着すれば、いずれ日本は同じ道を辿るという危機感。そして、明らかに陸、海、空を問わず自衛隊内部で、同じ教育が行われている。
 また、ゲストお三方の話をよ~く聞いてみると、自衛隊特有の精神論が根底にあることが、お分かり頂けただろうか。旧軍と同じ「敵が攻めてきたら」「日本独自の主権を」と唱えている。
 田母神論文を読んだが、根底には、旧軍と同じ精神論で支えられている。『軍人たるもの』『武士道』などの精神論が、今また国を左右しようとしているのに危惧を持つ。

 田母神論文を取り上げるより、年金問題や後期高齢者医療保険、医療崩壊を取り上げてもらいたいものだ。



自衛官の本質を知らない政治家が質問しても、あまり意味が無い参考人招致
11.11 参院外交防衛委員会 田母神氏の参考人招致




カネも居場所もない。でも生きなきゃいけない

「生きづらさ」について (光文社新書 358)「生きづらさ」について (光文社新書 358)
(2008/07/17)
萱野稔人雨宮処凛

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雨宮処凛がプレカリアート界のジャンヌ・ダルクとして中央論壇に登場した時、彼女の心身が、社会学者や知識雑誌の編集者らによる“食うための言説”の餌食にされないことを、老婆心ながら祈った。

 1975年生まれ。中学時代のいじめられ体験に始まり、自殺願望、ビジュアル系バンドの追っかけ、そして右翼運動から労働者運動へと、ドロップアウトを繰り返しながら展開されてきた人生。そんな経歴を彩るキーワードと、ゴスロリ・ファッションとのミスマッチは、いかにも現代社会の「何か」を象徴していそうだ。ニートやフリーター問題を、書斎から論じる知識人にとって、彼女が体現する「何か」を勝手自由に解釈していくことは、かなり誘惑的な作業だったはずだ。

 本書も最初、一抹の不安を抱きながら読み進めた。が、対談の相手である若き哲学者、萱野稔人の姿勢が誠実で的確だったゆえに、プレカリアート問題にさほど詳しくない私にも、内容が理解しやすく、彼女が何に苦しんでいるのかも伝わってきた。

 窓からおだやかな陽が射し込んでいる。実りの秋に向かって今、世はすべてこともなしの風情だ。だが、しかし。この平和な日本には、一皮むいたところに、あらゆる「生きづらさ」が充満している──というのが、本書の命題である。

 年間3万人を超える自殺者。心の病の増加。経済のグローバル化に伴う労働市場の流動化と使い捨て労働、貧困、格差──。経済の環境変化が生んだ「生きづらさ」もあるし、経済とは直接関係ない「純粋な生きづらさ」もある。この本では、二人がそんな「さまざまな『生きづらさ』の要因を解きほぐし」、「それを生き延びていくためのヒント」を語り合う。

 萱野が規定する「生きづらさ」には二つのレベルがある。

〈一つはもちろん物質的なレベル、つまりカネがないということです〉

〈もう一つはアイデンティティのレベル、つまり社会からまともに扱われない、自分の存在を認めてもらえない、居場所がないといった状態です〉

 この物質的なレベルとアイデンティティのレベルが、つねに混在したところで「生きづらさ」というものは生まれる、と萱野は説く。

 アイデンティティと物質。少なくともどちらかが補償されていれば「生きづらさ」への意識は、かなり変わってくるだろう。が、雨宮は団塊ジュニア世代として、まさにその二つの混在にめぐり合ってしまった。


コミュニケーションに「才能・努力」が必要になった

 93年に高校を卒業し、大学を目指して2浪するも失敗。そして就職氷河期の中、19歳でフリーターに。「どこにも属していないし、どこからも必要とされていないし、どこに何を求めていいかもわからない」と、彼女が語る状況は、確かにつらそうだ。「そういう境遇じゃなければ、絶対に政治運動や右翼とかにいかなかった」という述懐も、そうだろうなあ、と腑に落ちる。

 ではアイデンティティと物質では、どちらが個人の努力で手に入りやすいのだろうか。少し前の共同体社会では、アイデンティティは自明の前提だった。

〈たとえば親子という共同体のなかでは(中略)その親の子供であるという関係そのものが、子供に「無条件に認めてくれる居場所」というのを与えてくれる〉(萱野)

 自分を無条件に愛してくれる存在があれば、人はかなりの困難にも耐えて生きていける。かつてのムラ的、牧歌的な社会には、親子でなくとも、大人がその辺の子供をかわいがる、子供がそういう大人の言うことを聞く、他人が他人を受け入れる、というコミュニケーションが普通にあった。しかし、大量消費時代を経て、新自由主義経済やネットが浸透した現代の日本は、かつての共同体とは質の異なる「コミュニケーション重視型」の社会に変化した。

〈そこでは、流動化した人間関係のなかでそのつど他人から認められるよう努力しなくてはいけない。(中略)イケメンだったりキレイだったり、トークが冴えていたり、あるいは他人にアピールできるような特別な能力や資格、ステイタスをもっていないといけません。つまり、最近よくいわれるコミュニケーション能力や人間力というものが備わることで、初めて人は他人から認めてもらえる可能性を手にする〉

 と、「普通のこと」から「能力」に変質してしまったコミュニケーションを解き明かす萱野の観察は、切れ味がいい。

 それに呼応して雨宮も、派遣労働をする若い男性が、社交的な性格やカッコよさを駆使して、友達の家にころがりこんだり、ヒモになったりして、ネットカフェ難民やホームレスをまぬかれている例を挙げる。

〈格差の問題って、経済だけじゃなくて顔面格差やコミュニケーション格差など、いろいろあるんです〉(雨宮)


社会の貧困は、こんなところから見えてくる。

『心の病で休職者が急増している記事である。(2008年)』
心の病で休職者急増



『警察庁の統計で自殺者数である。(2008年)』
自殺者数(警察庁)

自殺者数1



休職者には、うつ病になるケースが多いと言われています。
最悪の場合、起死念慮で自殺に到るケースもあります。
警察庁の統計で自殺の動機の一番多いのは、健康問題次いで経済問題である。


休職者や自殺者が年々増加している日本社会は、本当に住みやすいんでしょうか?

そんな時、出会った本があります。
反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書 新赤版 1124)反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書 新赤版 1124)
(2008/04)
湯浅 誠

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日刊レビューには、次のように書かれている。

「ネットカフェ難民」という言葉が初めて使われたのは、2007年1月に放映された「NNNドキュメント」(日本テレビ)だった。たまたま深夜にこの番組を観た私は、暗澹たる気持ちを抱えたまま、布団にもぐりこんだことを鮮明に覚えている。

 番組では、10代、20代の男女が昼は日雇い派遣で働き、夜はネットカフェの椅子で眠りながら、100円200円を必死で切り詰めて生活している姿が映し出されていた。ある18歳の女の子の手帳には、「強くなる」「責任感を持つ」の言葉の後に「夜ご飯食べない」という文字が書かれていた。

 どうしてそういう生活に陥ってしまったのか。誰も頼る人はいなかったのか。這い上がるチャンスはどこにもないのか──「夜ご飯食べない」という言葉が放つ切実さに衝撃を受け、疑問が次から次へとわいた。以降気がつけば、私は貧困やワーキングプアを取り上げたドキュメンタリーをチェックするようになっていた。

 この手の話になると、必ず登場するのが「努力が足りないから、貧困に陥った」という「自己責任論」である。むろん、楽して保護を受けようというフリーライダー(ただ乗り)や、仕事を選り好みして夢を追い続けるフリーターもいるだろう。だが、はたしてすべてを「努力不足」の一言で片付けてしまっていいのだろうか。

 家族との離別や死、自身の病気、リストラといった思いがけぬ事態に直面し、それらが引き金となって貧困へと転落していく人々。ひとたび落ちてしまえば、必死で働いても這い上がることは容易ではない。

 「他にやりようがあるんじゃないか」と問われれば、確かに抜け出す道が一つもないとは言い切れないだろう。だが最大の問題は、その日暮らしの不安定な生活によって考える余裕や行動を起こす意欲が徐々に奪われていき、思考停止状態に陥ってしまうことなのではないだろうか。

 そんな私のモヤモヤとした考えを、より明確に言語化してくれたのが本書だ。

 著者の湯浅誠氏は、反貧困ネットワークの事務局長であり、NPO法人自立生活センター「もやい」の事務局長を務めている。貧困が起きている現場での活動を続け、早くからこの問題に声を上げてきた、いわば貧困問題のリーダー的存在である。

 なるほどと思ったのは、貧困の定義を「“溜め”のない状態」と言い表したことだ。


努力する「だけ」だって、必要な条件はある

 “溜め”とは貯金など、金銭的な余剰分だけを指すのではない。頼れる家族や友人などがいるのも人間関係の“溜め”であり、自尊心や自信などを持っていることも精神的な“溜め”となる。貧困とは、単に「お金に困っている」だけでなく、あらゆる“溜め”が失われた状態だというのだ。

〈三層(雇用・社会保険・公的扶助)のセーフティネットに支えられて生活が安定しているとき、あるいは自らの生活は不安定でも家族のセーフティネットに支えられているとき、その人たちには“溜め”がある。逆に、それらから排除されていけば、“溜め”は失われ、最後の砦である自信や自尊心をも失うに至る。“溜め”を失う過程は、さまざまな可能性から排除され、選択肢を失っていく過程でもある〉

 こうした個々人の“溜め”は、傍からは見えにくい。自己責任論を持ち出す人は、多くの場合、自分の努力や大変さだけにスポットを当て、偶然にも自らに備わっていた“溜め”の存在に気づいていないのだと著者は指摘する。そして、誰だって〈がんばるためには、条件(“溜め”)が要る〉、と。

 “溜め”のない人間にいくら「がんばれ」とハッパをかけても、事態はなんら好転しない。それどころか、〈貧困当事者本人を呪縛し、問題解決から遠ざける〉という。

〈ほとんどの人が自己責任論を内面化してしまっているので、生活が厳しくても「人の世話にはなってはいけない。なんとか自分でがんばらなければいけない」と思い込み、相談メールにあるような状態(※)になるまでSOSを発信してこない〉

※「このままでは、自殺を考えるしかありません」「お金もなく野宿も限界です」「マンガ喫茶で朝の数時間の暖をとるのも最後です」「今の所全財産が七円しかありません」「もう死ぬ事ばかりを考えています」といったメール(本書より評者抜粋)

 というのが現状だ。つまり、「自助努力が足りない」のではなく、「自助努力にしがみつきすぎ」たために、落ちるところまで落ちていってしまう人が後を絶たないというのである。

 また、貧困問題を「自己責任論」で放置することは、普通に暮らしている人々、ひいては社会全体の首を絞めることにもつながると警鐘を鳴らす。

レビューにも書かれているが
“溜め”とは貯金など、金銭的な余剰分だけを指すのではない。頼れる家族や友人などがいるのも人間関係の“溜め”であり、自尊心や自信などを持っていることも精神的な“溜め”となる。貧困とは、単に「お金に困っている」だけでなく、あらゆる“溜め”が失われた状態だというのだ。


確かに
あらゆる“溜め”が失われた状態になれば、人は生きていけなくなると思うし、そんな社会が
本当に住みやすい社会なのだろうか?



どうして人は人を、こんなに追い込めるのか。

心が傷ついた方に、この曲を送ります。
一日も早く、回復されますように・・・




敢えて、カテゴリーを貧困にしました。
こんな事をするのは、貧困そのものだと思ったからです。

「人の世は儚い」などと、憂いて良いのだろうか?
「人の世は儚い」などと、諦めて良いのだろうか?
「人の世は儚い」などと、他人の事だからと考えて良いのだろうか?
Etc・・・

人が人を追い込む。
何故?

人が人を虐める。
何故?

「甘い!」と言われるかも知れない。
これを、見て見ぬふりをするのが、どうかしている。

自分の身に降りかかったとき、人はどうするのか?
闘うのか。
それとも
黙ってしまうのか。

いずれにしても、
傷つきあう


人が人を追い込む。
哀しいことだ。

心の病で休職者急増



貧困はなかったのではなく、見えてなかった〜現代の貧困の捉え方

岩田 正美 さん(日本女子大学教授)が貧困について語っておられる記事がありましたので
紹介します。

<現代の貧困の特徴として、借金があります。家族に援助を受けられず、社会保障の手当てもされない人が借金を抱えやすい。若い人は出産の費用もないため、信用調査もなく借りられる消費者金融に手を出してしまう。一回の借金ならともかく、借金のための借金をし、収入はそこそこあっても返済にまわす。そのため事実上、収入がなくなる。そうした事態は、ただ「収入がない」という従来の貧困ではとらえきれません。
金融機関に勤めている人なら金利の知識に精通しているから消費者金融に手を出さない。ところが金利に詳しくない人は、コマーシャルでの気軽な雰囲気から大丈夫だと思ってしまう。そうしてお金を借りるほかない状態の人がいます。
しかしです、たとえば子連れで離婚し、生活に困った女性がやることはまず借金ではありません。一定の生活基盤を築けるよう社会が提供すべきです。チャンスを与えれば、セーフティネットの提供は短期で済みます。雇用する側も、そういう属性を持つ人を雇用できる条件をつくって欲しい。結局そうしないで自殺や犯罪、孤独死といった社会にとってネガティブな問題が増えれば、社会の払うコストは結果的に高くなります。
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<参考>
貧困はなかったのではなく、見えてなかった〜現代の貧困の捉え方

ハートをつなごう『貧困』を観て

2月27日(水)夜8時から「ハートをつなごう『貧困』」を観ました。

3人の方が紹介され、40代の男性の方は会社をリストラされ、その後離婚し家を出てホームレス生活になった。十年振りで支援の手を借りてアパートを借りることが出来た。

30代の女性は大手ゲーム機メーカーに正社員で就職したがお父さんが病気になりお母さんが介護で疲れ会社を退職し実家に帰った。実家に帰って2ヶ月後にお父さんは他界、派遣社員として仕事をしている。

40代で子どもが二人いる女性はシングルマザーである。仕事をして月7~8万円である。その後、うつ病になるが、それでも働き月2万円位であった。子どものため自分のために生活保護を受ける覚悟をし受給した。

石田衣良さんは「経済が低迷し国際競争力を付けなきゃならないのに税金を使って生活保護をしている場合じゃないだろうと言う人がいるが、もっと広く優しく見て欲しい」と言っていたし雨宮処凛さんは、「生活保護を受けるのに覚悟をするのはおかしい。声を上げるべきだ」と言っていた。

その通りだと思ったし、富裕層から見れば努力が足りないとか甘いとか言うかも知れないが、見る人が富裕層側から見るのか貧困者側から見るのかで視点は大きく違ってくると思うし、自分自身、貧困者側から見て行きたいと思う。

あと
貧困になるのは自己責任と言うが、それだけで済まされないと感じる。明日は我が身だと思うし、お互い様という気持ちが薄れて来たように思います。
そんな社会は何だか冷たく感じる。

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