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今後のためになると思いましたので掲載しました。 

『日本の福祉制度と北欧の福祉制度』へのトラックバックをお願いします。

右サイドにトラックバックのこれがあります。→トラックバックPEOPLEタグ




新聞を読んでいると今後のためになるかなぁと思いましたので
掲載します。
まだまだ勉強不足なので考察できませんが・・・



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希望を紡ぐために

ぼくが大学院に進学したのは、臨床心理学を学ぶためだった。
それが、思想史の研究者になった。当時、カウンセラーには
臨床心理士としての資格がなく、その社会的な地位は高い
ものではなかった。対して、同じ心を扱う精神科医は比べ物に
ならない権威を持っていた。なぜ精神科医の権威はこれほど
高いのか?
この疑問が、思想史に転向する引き金になった。
この疑問を解くために、明治時代以来の歴史を調べてみたのだ。
すると、精神科医が専門家としての地位を確立する過程に、じつは
かなりの困難があったとわかった。この事実を知って、ぼくは「自由」
を感じた。
こういうことだ。
現在だけしか知らなければ、現在はすべて必然的なものに見える。
ところが、現在がつくられてきた過去を知ると、現在は決して自明な
ものではないとわかる。
 ぼくはミシェル・フーコーという哲学者の影響を強く受けている。
フーコーが描き出す歴史に惹かれるのも、まったく同じ理由からだ。
時と場所が変れば「当たり前」が変る。しかも、フーコーはその変化
は、決して進歩を意味するものではないという。
ただ時代、時代の「当たり前」が違うだけだと。
時代をこえた物差しなど存在しないということだ。
 すべては歴史のなかでかたちづくられ、永遠にとどまるものは何も
ない。
外部から時代を診断するような規範もない。これがぼくの歴史観である。
とはいえ、傍観的な立場に立とうというのではない。
特定の人のみが理不尽な経験を強いられる、そのような不公正な現実は
必ず変えられる。
ぼくはそのために過去に赴く。
現在は必然的なものではなく、異なった現在がありうることを示すために。
歴史とは希望を紡ぐための方法なのだ。

毎日新聞 芹沢一也(思想史研究者)

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